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クリエイター版DELIGHT

自家焙煎珈琲と筆文字のお店 Fika ようこさん

「イベントの度、必ずようこさんに
筆文字を書いてもらっています」

この日、私は、会場で
何度このセリフを聴いたか
数えきれないくらい。

会場オープン直後から
ようこさんのブースの前には
ほぼ途切れることなく、
ようこさんの「筆文字」を求める人が
訪れていました。
もちろん、私もそのひとり・・・。

 

ブースに座ると、
それぞれにデザインが違う、
温かみのある和紙の中から、
お好みの用紙を選びます。

ようこさんの筆文字セッションは、
先ず、互いの「手と手」を重ね、
繋がることから始まります。

 

この時、人によって表現こそ違いますが、
辺りの空気の「密度」と「質感」が
一瞬にして「濃く」、「精妙」になるのを
感じとられる方が多いようです。

 

「では、書かせていただきます・・」

澄み切った小さいけれどよく通る声で
ようこさんが一言おいて、
すっと筆を紙に降ろした瞬間、
先ほどの「精妙」な空気が
更に細かく、
まるで「真空」だけが
辺り一面に満ち満ちてゆくような感覚に・・・。

 

ようこさんが筆を走らせている間は、
不思議なくらい
周りの喧騒が聴こえなくなるのです。

もはや息を吸うのも、
瞬きをするのも惜しいくらい、
ただただ、その場の空気に
身を浸している自分を
もうひとりの自分が観ているような至福感。

「時間のない時間」と言うものが
存在するとしたら、
きっとこんな感じではないでしょうか?

「書き終わりました。
では、読ませていただいても良いですか?」

 

共に「真空」を旅していた
ようこさんのこの問いかけで、
ようやくはっと我に返り、
今居る場所を思い出します。

 

読み上げるようこさんの優しい声。

 

その声を聴きながら、
嬉しいのか?悲しいのか?
よろこばしいのか?切ないのか?
一切の「明確な区別」をもたない涙が
多くの方の頬をつたってゆきました。

 

「言い当てられた!」
「まさにそう思っていたんです!」

そんな次元はとうに超えています。
と言うより、
ようこさんの「筆文字」セッションは
そう言った類のものではありません。

 

では何故、ようこさんの「筆文字」が、
それを受け取った方の真心を
こんなにも揺さぶるのでしょうか?

 

 

 

その理由のひとつは、
彼女から紡がれる言葉が、
過去でも未来でもなく、
いつでも「いま、ここ」から発せられているから。

 

私たちはこの世に産まれてから今日まで、
沢山の人と関わり、
そこでの関わりを通して、
好むと好まざるにかかわらず、
無意識に自分に様々な
「レッテル」「決めつけ」を貼り、
それが「自分そのもの」だと
思いこみながら生きています。

 

他人から貼られた
「あなたって○○な人ね・・」
と言う、
「レッテル」や「決めつけ」は
自分自身が「その通りかも知れない」と、
受け入れてしまった時にのみ
接着剤があふれだし、
意識にぴたりとはりついてしまうという仕組み。

 

悲しいかな、
いったん貼りついてしまうと、
自分でそれを剥がすことは
難しい場合がほとんどなのです。

 

そんなすべての人が抱える
”苦しみ、悲しみ”、
”やるせなさ”を
ようこさんは、
誰よりも知っています。

 

彼女は今年、ご自身のサイトで
長年の自分の「生きにくさ」を
正直に告白されました。

 

その告白に
「生きにくさ」を抱えている多くの方が
勇気をもらい、
励まされたのは記憶に新しいでしょう。

 

ようこさんの「正直さ」と、
まじりっけない、
「いま、ここ」から発せられた「言霊」は、
自分でも気づけなくなってしまった
「決めつけ」の接着剤を溶かし
その人本来の「美しさ」を
思い出させてくれるのではないでしょうか?

 

溢れる涙はきっと
魂からの「歓喜」のしるし。
そんな気がしてなりません。

 

 

ようこさんは、筆文字セッションの他、
ご自身の「感性」のままに
珈琲の焙煎もされています。

 

舌ではなく、
自由な心と五感すべてで味わって頂きたい、
詩的で情緒あふれる逸品です。

 

ようこさんのコーヒーは、
オンラインショップ他、月1ペースで
東あずまの「表現スペース4」で開催される、
「Linoカフェ」でいただくことが出来ます。
そちらにも、ぜひ足を運んでみてください。

 

 

自家焙煎珈琲と筆文字のお店 Fikaのサイトはこちらです
https://ameblo.jp/fika5/